えひめAIとは

微生物で瀬戸内海の水質汚染を食い止めよう!

えひめAIは1999年、当時の愛媛県工業技術センター(現・愛媛県産業技術研究所)所長だった曽我部義明氏によって開発された酵素を含む複合微生物の環境浄化微生物資材です。工業排水や生活排水による瀬戸内海の水質汚染が問題となっていた愛媛県では、県工業技術センターを中心に微生物を用いた環境浄化に取り組むことになりました。当初はEM菌を用いて始められましたが、身近な食品を使ってより効果の高い微生物資材が作れないかと、職員であった曽我部氏がプライベート時間を使って県独自の微生物資材を開発しました。少しでも早く利用を広げるため曽我部氏はホームページ等でえひめAIの作り方を公開し、特許をとりませんでした。

55の事業所でモニター試験

この微生物資材(企業向けに開発されたえひめAI-1)を使って産業排水の汚泥を減らすモニター試験が2000年より愛媛県の事業として始められ、2003年4月現在で55の事業所がモニターを実施しました。(主な業種は、食品製造:18、し尿処理:16、水産・畜産:12事業所)

八幡浜蒲鉾協同組合では、魚の骨などの廃棄物から肥料を製造する過程でえひめAI-1を投入し脱臭化に成功、堆肥の売上高を大きく伸ばしたほか、工場内のニオイも減り脱臭装置の稼動をやめたため月20万円の重油代も浮きました。食品製造のセトスイフードサービスでは、汚泥の発生量が半分になったため、汚泥処理費(半年で52万5000円)が半分の22万5000円になりました。県の発表によると、余剰汚泥の削減や消臭などによりモニター企業10社に生じた経済効果は年間2377万円に上りました。「ポンジュース」で有名な愛媛県農業協同組合連合会もえひめAI-1を利用しています。曽我部氏は「えひめAIの消臭効果は他に負けない」と語ります。

えひめAIの肥料でも大きな効果

愛媛県ではJAが中心となりえひめAIを使った肥料作りにも取り組んでいます。内子町ではこの肥料を使ったキュウリ栽培で収量・食味に大きな効果が表れ、年収1千万円を超える農家も続出しています。同町の道の駅ではえひめAIを使って栽培された農産物に限って販売しています。

テレビ「宇宙船地球号」にも登場

近年ではテレビでも度々紹介され、知名度が上がっています。テレビ朝日「素敵な宇宙船地球号」の「旧芝川再生プロジェクト」(2006年3月~)では、えひめAIが流域住民に配られ、各家庭の排水口から流されて短期間でドブ川が見違えるほどにきれいになった様子を数回にわたりレポートし、多くの視聴者の注目を浴びました。

(参考:愛媛県工業技術センター「環境浄化微生物利用マニュアル」、愛媛新聞 平成13年6月28日,10月22日,11月8日)

坪田愛華ちゃんの思いを引き継いで

曽我部氏は小菅村での講演会で、地球環境問題をテーマにした『地球の秘密』という漫画を書きあげ、数時間後に12年の短い生涯を閉じた坪田愛華ちゃんという少女の話をしました。『地球の秘密』は、自然界の循環やバランス、先進国と途上国の格差の問題にも目を向けた壮大で深い内容と、子どもらしい純粋な願いが書かれていて、読む人の心を打ちます。「12歳の少女がここまで考えているのに、大人の私たちは恥ずかしい」と語る曽我部氏。「えひめAI」に特許を申請せず作り方を公開したのも、愛華ちゃんの意志が地球全体に広がるようにという思いからです。

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