小菅村

小菅村って、こんな村

源流きらりが作られているのは、山梨県北都留郡小菅村という小さな村です。東京都から小菅村にIターンして2009年5月で丸4年になる私たちから見た小菅村をご紹介したいと思います。

奥多摩の奥にある「陸の孤島」小菅村

山梨県と言っても、小菅村の最寄り駅は東京都の奥多摩駅(JR青梅線の終点)です。奥多摩駅から16ものトンネルをくぐってくねくね道を車で約30分走ると小菅村に到着します。村に住む若い人の中には週末に1時間かけて東京の青梅市などに買い物に行く人が多く、生活圏は東京に属しています。

その他、山梨県上野原市までは約45分、大月市まで約50分、都留市まで約1時間10分、甲州市まで約50分と、「スーパーのある」各都市まで出るのにほぼ1時間車を走らせなければならない場所に位置しています。

まさに、山の中・・・

さて、小菅村に降り立ってみると、山の中を走る国道沿いに転々と集落があり、基本的に田んぼはなく、自給的な野菜作りや斜面を使ったこんにゃく畑が見られます。村の面積の実に95%を山林に覆われています。シカやサル、リス、タヌキなどの野生動物にもよく出くわしますし、イノシシ、クマの噂も耳にします。昆虫や鳥、植物の種類も多く、とてもたくましいです。

夜になると、村全体が霧の中にすっぽり包まれているみたいに錯覚するほどの湿気で、「ああ、山の中に住んでいるんだな」と実感するのです。

あるとき村の中の山に登り、下に見えた山の中の集落を指差して(内心、よくあんな山ン中に人が住んでいるな、と思いながら)、「ねえ、あれはどこの集落?」と質問したことがありました。なんと、それはわが家とその周辺の集落だったのです。

人口800人余りが源流域を守る

この山は、東京都民の生活水となる多摩川の源流を抱いています。したがってその一部は東京都の水源林として東京都が維持管理をしていますが、それよりもずっと昔から、この村の人々は山を大切に保全しながら源流と共に生活してきました。

ところが、私たちが引っ越してきたときには1000人ちょっとだった小菅村の人口は、この4年間で800人余りにまで減少してしまいました。生まれる赤ちゃんより亡くなるお年寄りが多い「自然減」、職業などを求めて若者が村外へ流出する「社会減」がダブルで押し寄せる、まさに限界集落です。源流域を保全しながら源流と共に暮らす村人がこのまま減り続けてしまったら、今以上に山林の荒廃が進んでしまうのは目に見えています。

小菅村から「源流きらり」を販売することの意味

これから先も、源流域を愛する若い人たちが小菅村で生活していかれるためには、村での仕事が不可欠です。私たちはこのすてきな源流の村で生活をするために、排水を浄化することのできる環境浄化微生物「源流きらり」を源流の村・小菅村から売り出すという事業を始めました。ボランティアではなくビジネスとしてこの事業に取り組むのは、皆さんがご自分の流す排水に意識を向けお金を出してこの商品を買っていただきたいということと、源流域の大切さを知り応援していただきたいという2つの意味が実は込められています。

手作り食文化と自給的農業

四季折々の豊かな自然や、温かく気さくな村の人々など、今までに私たちが感激した小菅村の良いところはたくさんあります。その中で三点だけに絞ってご紹介します。

一つ目は、冒頭でご紹介した「陸の孤島」のような地理が産んだという手作り食文化が今でも高度に残されていることです。手前味噌から始まり、こんにゃく、わさび漬け、手打ちうどん・そば、たくあん、白菜漬け、梅干、らっきょうの梅酢漬け、干し柿などが、お年寄りの住む多くの家庭で当たり前のように手作りされているのです。これには本当に驚きました。また、ジャガイモ、インゲン、きゅうり、大根、白菜、ねぎなどの日常的な野菜は多くの家で作られているし、山菜やきのこ類も器用に食生活に取り入れられています。残念なのは、若い世代の人にそれがなかなか伝えられていなそうなところです。

物を大切にする生活

「物がないからこそ工夫する」生き方は、食べ物に限ったことではありません。今でこそ車でどんどん町に買い物に出かけますが、昔の人ほどすぐに何でも買いに行かれるわけではなかったので、どんな物でもとても大切にしています。要らない物も「これは何かに使えるかもしれない」と取っておいて、びっくりするようなアイデアを働かせてそれを再利用する姿に衝撃を受けたことが何度かあります。これが二つ目です。

顔が見える人と人との繋がり

三つ目は、ある村の人が言った言葉で「村では財布を持ち歩かなくても、店で買い物をすることもできるし、食事をすることもできる」という大らかな経済感覚です。「顔が保険だ」というわけです。人間同士が、モノやカネの関係ではなく、人と人の関係のままなのです。これは、顔が見える人口800人の村だからこその感覚だと思います。

これが源流の村、小菅村です。







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